第19回全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会の見所
    
組手無差別級の見所

 高島大輔、2連覇達成により日本の跆拳道界実力日本一を証明できるか!?

「日本の跆拳道界最強」を自負する日本テコンドー協会(以下、JTA)には「最強証明の掟」がある。
「全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会を2連覇してこそ真正な跆拳道界最強チャンピオン」
というものである。
2大会連続して頂点を極めることは客観的実力なくして実現することはできないからである。

ライトコンタクト・テコンドー・ルールから「最強跆拳道」を実現すべく、
フルコンタクト・テコンドー・ルールに進化させた
第13回全日本全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会以降、
歴代王者は、尾崎圭司は2連覇(第13~第14回全日本FT大会)、
齋藤 健は3連覇(第15~第17回全日本FT大会)を成し遂げ、
彼らが当代最強王者であることを証明したうえで本大会を「卒業」し、K-1等に挑戦しているのだ。

この掟に従えば、前大会初制覇の高島大輔にとって本大会は、
あたかも「最強跆拳道家タイトル防衛戦」とみなすことができる。
高島は、前大会優勝候補筆頭・坂本洸巳(現在、プロキック7戦7勝無敗、
2008年度新人王候補)の まさかの敗退による不戦等の幸運に恵まれた。

また、高島は、本大会が世界のテコンドー界で唯一の無差別級のフルコンタクト・ルールであるにも
かかわらず最重量110kgの強豪・趙哲来と一度も対戦してはいない。
そこで本大会では、高島が真正な無差別級王者であることを証明すべく開会式終了後に開始される
1回戦第1試合で趙哲来(第17回全日本全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会準優勝)と
雌雄を決することになった。
この対戦は、本大会・天王山とも言える。勝者が一挙に勢いを増し優勝する可能性が高い。

さらに、高島の2連覇を阻む最有力選手は、前大会準優勝の小松裕弥(東京城南支部)であろう。
小松は2008年度K-1トライアルに合格し、同リーグ戦3戦3勝無敗である。
前大会決勝戦では、体重差35kgの対趙哲来戦でスタミナを消耗したためか、
華麗な蹴り技が不発で高島に完敗した。
その無念を果たすべく初制覇に燃えている。

前大会で高島を後一歩迄追いつめながらも惜敗した古谷知也(高知支部)や西岡健(東京渋谷原宿支部)
のベテラン勢、坂本を破った試合巧者の朝比奈浩一(高知香南支部)もあなどれない。

だが、JTAは若手の台頭が著しいので波乱も予想される。
台風の目になりそうなのが、
予選会2大会優勝(第10回関東大会Ⅰ部軽量級優勝、第6回関西大会Ⅰ部中量級優勝)の
尾崎圭司の弟子・鈴木雅博(神奈川大学湘南校体育会支部、湘南平塚支部所属)および
同じく予選会2大会優勝(第10回関東大会Ⅰ部中量級優勝、第11回東京都大会Ⅰ部無差別優勝)の
小山恭弘(横浜鶴見支部)である。
実力伯仲の蹴美の熱戦に期待してほしい。