全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会ルール・一部改正説明会要旨
2006年2月5日(日)、神奈川県立武道館において開催された「組手総見」において
日本テコンドー協会 河 明生宗師範より、
下記の通り、全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会ルールの一部改正に関する説明が行われました。
記
2005年11月26日(土) 東京・後楽園ホールで開催された
第16回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会ーITA杯無差別級王者日本一決定戦ーにおける
長所と短所を総括すると次のようになります。
長所
@ 出場選手のフルコンタクトテコンドーに不可欠な身体的能力が高まったこと
A 小川浩平(東京城南支部)の4位入賞を通じて、軽量級の選手でも
無差別級の全日本大フルコンタクトテコンドー大会で活躍できることを実証したこと
B 井上昌彦(静岡支部)や古谷知也(高知支部)等の地方支部所属選手の競技レベルが向上したこと
C ITA杯最優秀選手賞に史上初の女性受賞者(長崎優子・横浜西口支部)が誕生したように
女性部選手の蹴り技能力が前大会よりも向上したこと。
D 渡部翔太(湘南支部、3位入賞)等の新人選手が台頭したこと
短所
@ 蹴美に欠ける試合が前回大会との比較において増えたこと
A 一本勝ちを宣言できなかったミスジャッジがあったこと
以上をふまえて、フルコンタクト空手やキックボクシング、他流派のテコンドーとの差別化をより一層はかり、第17回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会をより一層発展させるべく、
下記の通り全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会のルールを一部改正します。
一、蹴美を高めるための改正(第17回神奈川県大会無差別級予選会から実施)
1,試合時間
本戦2分、延長戦2分とする。
2,「蹴美7Willルール」の導入(暫定処置)
1)選手は、本戦の際、下記の難易度の高い蹴り技を最低でも7本以上、蹴らなければならない。
蹴れない場合、試合終了後、減点1とし、判定の際の基準とする。
上段かかと落とし蹴り、 跳びかかと落とし蹴り
後ろ横蹴り 、 跳び後ろ横蹴り
上段後ろ回し蹴り 、 跳び後ろ回し蹴り
跳び回し蹴り 、 跳び前蹴り 、跳び横蹴り、その他跳び蹴り
2)「蹴美7Willルール」の裁定は、正指導員以上の資格を有するコート責任者が行う。
二、ミスジャッジ防止のための改正
最高審判長による「審議」の導入
今大会1回戦の井上昌彦(静岡支部)対高島大輔(川崎中原支部)は、
井上による後ろ回し蹴りが、高島の顔面をとらえ、高島はダウンした。
主審は、「技あり」を宣言したが、 副審2名の同意が得られず無効となった。
(副審2名の位置が、リング・ロープの真下にあり、それが死角となって見えなかったという)
結局、試合は、判定で高島が勝利を収めたが、これは明らかにミスジャッジであった。
人は己のミスを素直に認め反省することができる長所を有している。
JTAは、率直にミスジャッジを認め、今大会の成績には影響はないが、
名誉の問題として「井上昌彦の後ろ回し蹴り一本勝ち認定」という記録は残したいと思う。
審判も人間である以上、100%完璧なジャッジは困難であろう。
かといって何の改善もしないわけにはいかない。
そこで、最高審判長の権限を強化する。
すなわち、最高審判長は、「技あり」もしくは「一本勝ち」であるにもかかわらず、
審判が「技あり」もしくは「一本勝ち」を宣告しなかった場合、
「審議」を請求できる。
最高審判長は、審判を招集し、
「審議」の上、「技あり」もしくは「一本勝ち」に改めることができる。
三、全日本大会限定敗者復活戦ルール
1 2回戦以降、勝者が前試合に対戦した選手の正当な蹴り技による負傷により
ドクターストップもしくは審判ストップの宣告を受けた場合、
当該敗者は、勝者に変わり、2回戦以降の試合に出場できる。
ただし、反則技による負傷(突きによる顔面強打、ローキック等)の場合、
敗者復活は認めない。
この場合は、棄権とし、2回戦以降の対戦選手の不戦勝となる。
2 「敗者復活戦」の該当選手は、
2回戦以降の試合で判定となり「引き分け」た場合、延長戦を闘う権利はない。
したがって、負けとなる。
四,全日本大会出場選手枠
1 男性選手16名以内、女性選手8名以内の合計24名以内とする。
よって、全日本大会当日の「予選」は廃止する。
2 補欠選手は、男性選手1名、女性選手1名の合計2名とする。
出場は、試合当日の1回戦で負傷による欠場が生じた場合に限る。
なお、全日本大会パンフレットには、写真以外のデータを掲載する。